現在Model Y パフォーマンスに乗っているテスラオーナーが、新型Model Y RWDの試乗機会を得たので、その印象を旧型と比較しながらレポートします。
エクステリアデザイン
新型Model Yは旧型の少し可愛げのあるデザインから、サイバートラックのようなキリッと引き締まったフェイスに変貌している。事前の写真を見た際は、ヘッドライト位置が低すぎて押し出し感が足りないのでは?と懸念していたが、実車を見ると意外とカッコいい。これはありだと思う。
リアのテールランプの照明がとても明るく、夜間は地面を照らしてくれる効果もある。このデザインもカッコいいので、今後他の車種でも流行しそうな予感がする。
また、随所にラバーのウェザーストリップが追加されている。これにより雨天走行時のドアの汚れを防止してくれそうで、実用面でも進化を感じた。

シートの快適性
新型Model Yのシートは、旧型と比べて硬めの低反発ウレタンフォーム的なしっかり感がある。長時間のドライブでも疲れにくい設計になっていると感じた。シートの幅は広く取られており、大きめの人でも十分な余裕がある。
ただし、スポーティーなホールド感は特にない。体をしっかり支えるようなホールド感を求めている人は、パフォーマンスモデルの登場を待ったほうが良いだろう。
新型の最大の改良点は、シートにベンチレーション(通気機能)が追加されたことだ。これは非常に優れた改善点だと思う。私の黒シートの旧型は夏場になるとチリチリに暑くなるので、この機能は梅雨や夏を快適に過ごすための大きな武器になりそうだ。
ステアリングフィール
ステアリングの特性は旧型から大きく変化している。新型では中心付近の反応が緩やかになっており、テスラに初めて乗る人でも違和感なく操作できるようになった。
ステアリングを回した時の感触はしっとりとしていて上質な印象だ。小刻みにステアリングを切る時の違いが特に顕著で、旧型はMINI Cooperのように俊敏で刺激的な反応を示すのに対し、新型はまるでアルファードを運転しているようなゆったりとした安定感がある。
私自身は初めて購入した車がMINIだったので旧型のクイックな反応も嫌いではないが、万人受けするのは明らかに新型のほうだと思う。
あと、ステアリングをロックトゥートックで回した時、旧型は2回転(凄まじくスポーティー!)しか回らなかったが、新型は2.5〜3回転?くらい回る。ステアリングのセンターの反応が鈍くなっているのはこのおかげかも知れない。

乗り心地と足回り
試乗車のタイヤ空気圧は3.3(推奨空気圧2.9)と高めだったが、それでも足回りは旧型と比べて明らかに突き上げが穏やかになっている。
ロール感(コーナリング時の車体の傾き)は一般的な日本車のような自然な挙動で、過度にスポーティーな硬さはなくなった。家族で乗るには断然こちらのセッティングのほうが好まれるだろう。
カメラと認識性能
新型Model YはHW4(ハードウェア4)を搭載しており、旧型のHW3搭載モデルと比べて車外オブジェクト認識機能が明らかに向上している。周囲の車両や歩行者、標識などの認識精度が高く、将来のFSDアップデートに期待が持てると思う。

オーディオ品質
新型Model Y RWDのスピーカーはロングレンジモデルと比べて数が減らされているが、RWDでも音質は全く問題ない。特に低音の表現力を含めて、同じ価格帯の車のノーマルスピーカーと比較してもかなり高いクオリティを維持している。
音質の序列としては、旧型Model3 RWD < 新型Model Y RWD < 旧型Model Y パフォーマンス、という印象だ。
新型ModelY RWDはスピーカー数が少ないので、ホームオーディオを聴いている感覚に近い。包まれ感が欲しいならロングレンジ以上が必須だと感じた(ロングレンジは未体験)
静粛性
ロードノイズはかなり静かになっている。試乗では60km/h程度の速度だったが、明らかに静粛性が向上していることを実感できた。
試乗日は雨天だったが、雨音はほとんど気にならなかった。ガラスルーフにもかかわらず、天井が鉄板の国産車よりもかなり静かな室内環境が実現されている。
また、リアテールゲートの支えが2箇所増えて合計6箇所になっている。旧型はこの支えを調整しても気温の上下ですぐに軋み音が出ていたが、新型はとても静かであった。
新しいウインカーレバー
新型Model Yには専用のウインカーレバーが追加された。SNS上では「質感が安っぽい」という否定的な評価も見られるが、個人的にはショートストロークMTのシフトノブのような、コクッと入る感触が心地よく、とても気に入った。

電費性能
短距離走行かつ頻繁に渋滞する梅田エリアでの試乗にもかかわらず、電費は168Wh/kmと非常に優れた数値を記録した。これは新型のエネルギー効率の高さを物語っていると思う。
加速性能
RWDモデルは旧型から駆動モーターが変更され、パワフルになっている。0-100km/h加速5.6秒時代の旧型Model3を彷彿とさせる加速力で、一般道では十分すぎるほどのパワーを持っている。
以前、旧型のModel Y RWDを3週間ほど借りた経験があるが、その加速力は明らかに弱く、個人的にはやや物足りなさを感じていた。しかし、パフォーマンスモデルに乗っている私から見ても、新型RWDは素晴らしい加速力を持っていると感じた。
総評
新型Model Yは、旧型のネガティブな点を徹底的に改善した印象だ。今までテスラに乗ったことのない人にも自信を持っておすすめできる一台に仕上がっていると思う。個人的には、ウインカーレバーのないModel 3ハイランドよりも使い勝手が良いと思う。
元々Model Yは荷室容量が大きいハッチバックスタイルで使い勝手も最高だったが、走りをスポーツ寄りに振ったドライバーズカーだったため、買い物がメインの人には少し推薦しづらい面もあった。しかし新型は、まるでトヨタのファミリーカーのような、誰からも80点以上の評価をもらえるマイルドな乗り味に仕上がっている。これはドライバーズカーから自動運転車へのシフトを示唆しているのかもしれない。
走っていて楽しいのは旧型であるので、スポーティーな走りを求める人は中古の旧型パフォーマンスやロングレンジを検討するのも一案だろう。しかし、快適性、静粛性、使い勝手を総合的に考えると、新型Model Y RWDは間違いなくテスラの中で最もバランスの取れたモデルに進化したと言える。
日常使いの電気自動車として、Model Yジュニパーは新たな基準を打ち立てたと感じた試乗だった。
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